銀行は「消費寄託」での金の保管を好みます。こうすることにより、金の所有権が銀行に移り、銀行の貸出額を決める流動準備資産として考慮されるためです。
銀行は、短期の預金を取り入れ、金を長期間貸し出すのです。これは、金が簡単に現金化できるという利点を利用した銀行の機能なのです。
銀行は、準備資産の1ドル分を8ドルで貸し出すことができます。そのため、貸金庫を提供するよりも、はるかに多くの収益をこの方法で得ることができます。だからこそ、銀行は無料の「消費寄託」保管を提供するのです。そして、「特定保管」の料金を、地金専門市場の保管料の10倍近くに設定しているのです。
もちろん、「消費寄託」の金は顧客が金を受け取る権利を保有しますが、実際の所有権は銀行が保有します。そのために、銀行が破綻した場合、預金同様に債権者への債務支払いのために使われるのです。
弊社が利用する貴金属専門保管業者は、銀行としての認可は受けていないために、「特定保管」の保管料を高く設定する理由を持ち合わせていないのです。